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2010年10月1日金曜日

9月のワークショップご報告

9月のワークショップが終了しました。3つのコースのご報告をいたします。


●俳優コース●
講師…富岡邦彦(CO2事務局長/PLANET+1代表)
唐津正樹(第2回CO2作品『にくめ、ハレルヤ!』監督)

9月のテーマ作品は『モリツリ』(1965年、アメリカ、監督:ベルンハルト・ヴィッキ)でした。3つのシーンを抜粋し、演出意図、俳優の細かな演技などを考察し、読み合わせ、そして4人の登場人物を割りふって実践演技をします。

(1)若いナチ党ドイツ海軍兵と、ドイツ人だがアメリカのスパイの腹を探り合うシーン
(2)ドイツ軍人(船長)が反抗するユダヤ人少女に手をさしのべるシーン
(3)若いナチ党ドイツ海軍兵と古い考えのドイツ軍人(船長)が対立するシーン

緊張感のある、お互いを探り合うシーンを演じます。


男性役を女性が演じてみることも(左)。


 富岡事務局長もアドバイスを。

演じるキャラクターの葛藤、心情の変化など、1つのシーンとは言えど物語の全体を考えた上で演じなければなりません。相手役の演技、台詞も演じる上での大切な要素になります。
このキャラクターを自分が演じると、どう映って観えるのか?と、自分の持ち味も生かしたキャラクターづくりも今後の課題となりました。


●技術コース●
講師…唐津正樹(第1回CO2作品『赤い束縛』監督)

技術コースでは、カメラの基本的な使い方から効果的な撮影方法、撮影した映像をみて考察をしています。

俳優コースとの合同の回では、『モリツリ』の実演を撮影しました。カメラを引いて、全体をとらえるか 、人物に寄って、表情をとらえるか…撮影をしながら、試行錯誤が続きました。回を重ねるごとに、俳優の動きを考えながら撮影を試みるようになりました。

3回目ワークショップは、前回撮影した俳優コースの映像を見ながらの勉強会です。

 俳優コースの方も参加で、前回撮影したDVDを観ています。


画面の中の人物の位置をみながら、構図・カメラワークの勉強です。


物語、シーンにおける人間関係を構図によって考えることを中心に勉強しました。人物の距離感や、画面のなかでの頭の高さ、光のあたり方など、いろいろなところで人間関係は表現、読み取れます。
このカットに何を足せば、効果的なシーンになるのか?照明・美術・録音・演出についても考察をおこないました。


●制作・その他コース●
講師…福嶋美穂(『かぞくのひけつ』他、制作)
ゲスト…田口稔さん

制作・その他コースでは、制作部のお仕事を中心に勉強をしています。
 
19日は、実際に撮影された映画のシナリオを手に、事務局のある中崎町の模擬ロケハンを行いました。
捜索物件は、登場人物の住むアパート・登場人物が車にひかれる道、などなど…もちろん、場所が映画のイメージにあうかどうかだけでなく、これまでのワークショップで勉強した撮影に必要な条件を考えながら探さなければなりません!
撮影スタッフが動けるようなスペースがあるのか、車の駐車する場所はあるのか、音の環境はどうか、照明のための電源は確保できるのか…などなど、確認する項目はたくさんあります。それらを満たせるロケ場所を探すのは至難の業でした。
普段何気なく歩いている近所も、制作部の視点から見るといろいろな発見がありそうですね。

沢山の資料たち。


資料を見ながら、ロケ地探しについて話しています。


↓↓制作コースより、インターンスタッフの方のレポートを発表します↓↓


今回は、ある台本から4つのシーンを選び、そのロケハンの練習を中崎町で行いました。
4つのシーンの内容は、アパートの階段(夜)、とある道(昼)、道(夜)、グラウンド(朝)。

アパートは4つほど見てきましたが、それぞれ形や築年数がちがうので、撮影するものが大きく変わってきます。どれにするかは監督と相談して決めます。道のシーンでは、道にもさまざまなものがあるので、シナリオからどのような道なのか想像しなければなりません。豊かな想像力が必要な作業です。

ひとつのシーンの撮影の前に、制作スタッフが準備をするのですが、そのためにすることが15個ほどあります。撮影範囲の確認、美術確認、機材置き場の確保、電源の確保、車両の駐車位置、トイレの確認、飲食場所の確認など。

ひとつの映画に60くらいのシーンがあり、そのひとつひとつにこれと同じ作業を行う。
ふつうに映画を見るときは、制作の仕事のことなど考えませんが、シーンごとにこの地道な作業をしているのです。でもこの制作の仕事は、映画を作るうえでとてもいい勉強になります。

今回はスタッフの田口さんに教わりました。田口さんは、映画の仕事にかかわったり映画際で賞をとるのは、その人のめぐりあわせというか運のようなものがあると言っていました。
ただ能力が高いだけでは、映画の仕事を続けるのは難しいようです。

私もたしかにそれはあると思います。私も今回この仕事に関われたのも、何かのめぐりあわせのように思います。そういった出会いを大切にしたいですし、良い運がつくように日ごろの良い行いを心がけたいです。 



【次回予告】
| 俳優コース:『暗黒街の弾痕』(監督:フリッツ・ラング)をテーマに実践します。 |
| 技術コース:カット割りについて勉強します。                  |
| 制作・その他コース:宣伝、上映について勉強します。              |

ワークショップに参加したい、興味がある!という方は、CO2ホームページのインターン・スタッフ登録フォームよりご登録いただくか、intern●co2ex.org(●を@に変えてください)までご連絡ください。

////////////////////ご報告は以上です。次回報告をお楽しみに!////////////////////

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